Truth

モノガタリ

目の前の出来事は、本当の真実だろうか?

 

通勤途中に新しい美容室が出来た。「TRUTH」-美容室の名前としては、ずいぶんとストレートで、哲学的な印象を受けた。なぜTRUTHという店名を選んだのか、お店の前を通るたびに考えてしまう。その美容室に行けば、「真実の自分」に会えるとでもいうのだろうか。あるいは。。。

 

世の中には「真実」と思われていたことが間違いであったり、逆に「間違い」と思われていたことが真実であったりする。地球が宇宙の中心であるとする天動説については、当時の宗教観とも相まって、長い間(十世紀以上も!)信じられていた。ごく最近の話では、日本史で習っていた年号が実は間違いだった、などという話も聞く。

 

どこかの国のテロや、どこかの国で建てられたマンションについて
どこかの国の研究発表や、どこかの国で塀の中に入った人について
どこかの国の風刺画や、どこかの国で送られたメールについて

 

泣いている奴らの後ろには、ほくそ笑む奴らがいる。
誰かの真実は、誰かの嘘であり、誰かの嘘は、誰かの真実でもあり得る。
灰色のソラは青くもあり、赤にも染まる。

 

見方や立場によって、真実も嘘も入れ替わってしまう。全てが真実であり、全てが嘘。
傍観者でいるのは楽だけど、当事者にならないと学べない事は多い。どうにもならない事だからと、思考停止に陥りたくはない。考えて、行動出来るようになりたい。

 

ダークグレーのアスファルトは、雨に濡れて黒く光っている。

 

2006/02/26

 

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