フラッシュライトのランタイムとFL1計測の問題点 Potential problem for FL1 measuring

フラッシュライト関連
 
カンデラ
カンデラ

ねぇ、ルクス。この前買った1000ルーメンのこのフラッシュライト、2時間持つって書いてあるのにどんどん暗くなるわよ。

ルクス
ルクス

パッケージにANSI FL1での持続時間が書いてあったとしても、その光束でずっと点灯しない場合もあるわよ。高光束であればあるほど、そういうフラッシュライトの方が多いと思うわ。

カンデラ
カンデラ

なにそのパッケージの見た目は一緒なのに、いつの間にかプリン○ルスの大きさが変わってましたよみたいな感じ!

ルクス
ルクス

ANSI FL1での持続時間には注意が必要なの。せっかくだから説明するわね。

カンデラ
カンデラ

食べ物の恨みは怖いわよ・・・

 

フラッシュライトのランタイムとFL1計測の問題点

FL1の説明で記載しましたが、FL1ランタイム、持続時間の計測方法は改善の余地があります。
このエントリでは、ランタイムおよびFL1ランタイム計測の問題点について考えてみます。

 
先に結論から書きます。
FL1 光束、ランタイム表記の問題点
・FL1でのランタイムは、初期光束を維持するかどうかの目安にはならない

 

なぜANSI FL1でのランタイムは初期光束を維持するかどうかの目安にならないのでしょうか?

 

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FL1 光束、ランタイム表記の問題点

はじめに、FL1での光束、およびランタイムとしては、以下が計測手順となっています。

光束:
点灯開始後、30秒から2分間の連続運転で光束を測定する。

ランタイム、持続時間:
点灯開始30秒後の出力を初期値とし、初期値の10%に到達した地点までをランタイムとする。

 

このように、FL1での光束は、点灯開始後、30秒後から2分経過するまでの間計測され、ランタイムは点灯開始後30秒後から、初期出力の10%に落ちるまでの時間を示しています。

そのため、光束測定に関わる最初の2分間だけ1000lmで、その後すぐに150lmに落ちるようなセッティングを行えば、ランタイムを見かけ上延ばせます。

つまり、FL1でのランタイムは、初期と最終地点の2点間の経過時間を測定しているだけなので、同一ランタイム表記のライトであっても、同一光束のまま維持するような設計なのか、すぐに光束が低下するような設計なのかの判断が付きません。

 

一般的な懐中電灯としての使い方であれば、初期光束をなるべく長時間維持したライトの方が使いやすいと思いますが、タクティカルライトのようにごく短期間、目つぶし的に使うような運用をする場合、初期光束をなるべく大きくして、長時間運用は切り捨てているようなモデルもあります。

補足:LEDは電流を多く流せば流す程、光束は大きくなりますが、それに伴って発熱量も増えます。発熱量が増えると、同一電流でも光束が落ちる(=効率低下)という性質があります。高出力ライトにおいて、電池容量低下以外に光束が落ちるのはこのためです。

また、時間と共に光束が低下せず、常に一定光束を保つようなフラッシュライトであっても、電池容量が低下したときに突然消灯してしまうモデルもあります。光束低下が起こらない(または知覚できない)中でいきなり消灯してしまう事は、場合によっては危険を伴います。

そういった場合は、時間と共に光束が低下していくフラッシュライトの方が電池交換のタイミングを掴みやすいというメリットもあります。

また、初期照度をなるべく維持しつつ、電池容量が低下した場合には、点滅したり段階的に光束を落とす事でユーザーに知らせるような機能を持っているモデルもあります。

同じメーカーでもライトの設計思想や使用電池によってこの辺りのさじ加減は異なるため、フラッシュライト毎に注意して調べる必要があります。

 

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ランタイムに関するフラッシュライトメーカーの対応

ランタイムをより正確に把握するためには、光束(または光度や照度)v.s. 時間経過のグラフをみる必要があります。

しかし、全てのメーカーが光束(または光度や照度)v.s. 時間経過のグラフを載せているわけでは無いため、我々ユーザーにとっては中々実用的なランタイムを把握することが困難になっています。

電池と出力の組み合わせによっては、24時間以上のランタイムとなるモデルもあるため、手間なので掲載していないメーカーが多いのでしょうか?

 

私が見る限り、メーカーとして光束と時間経過を提示しているのは、タジマ、Streamlight、FENIXの製品位でした。(それらのメーカーでも、記載の無いモデルもあります)

 

以下は、FENIX LD05 v2.0とStreamlight ProTac 1L-1AAのランタイムグラフです。

光束や電池種類によって異なりますが、時間経過と光束の推移がグラフとして掲載されています。

 

FENIX LD05

FENIX LD05v2.0 Runtime

 


ProTac 1L-1AA

Streamlight ProTac 1L-1AA Fact Sheet

 

LD05 v2.0も1L-1AAも、時間経過に比例してだらだらと光束が下がるタイプでは無く、一定の光束を維持するタイプの制御をしていますね。

このような情報があれば、ユーザーはよりフラッシュライトを選びやすくなります。

 

フラッシュライトメーカーでランタイムグラフを提供していない場合、海外のフラッシュライトフォーラム(CPF:Candle Power Forums)などで、個人ユーザーが出力と経過時間を計測し投稿している場合もあります。

気になるフラッシュライトがある場合、そういったフォーラムをのぞいてみる事も良いかもしれません。

(「LD12 runtime」等「モデル名」+「runtime」で検索すると、記事が出てくる場合があります)

 

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終わりに

光束-時間経過の表記をする事で、私たちユーザーはもっと製品選択がしやすくなりますので、メーカー各社には是非とも頑張っていただきたいところです。

FL1自体、光束と時間経過のグラフを載せるように改訂しても良いかもしれませんね。FL1の測定中、常に光束と時間は測定してますので。

 

それでは・・・

 

2018/11/19

 

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ヒカリのカケラ

コメント

  1. ぼっちライトマニア より:

    こんなにステキなブログが在る事を知りませんでした。もう5年も前ですが、短期で更新されていない事を残念に思ってしまいます。

    • チリトマ より:

      こんにちは!お越し頂きありがとうございます!
      当時の書きたい欲?のようなものが一旦収まってしまい、更新が滞っております。
      ぼちぼち再開出来たらなーと考えております。