光関連の用語と単位 ルーメン、ルクス、カンデラ

フラッシュライト関連
 
カンデラ
カンデラ

ねぇ、ルクス。ルーメンに比べると私の認知度ってイマイチじゃない?

ルクス
ルクス

確かに最近、ルーメンという言葉は良く目にするようになったわね。

カンデラ
カンデラ

みんなルーメン、ルーメン言っててちょっと悔しいわ。世の中はもっと私に注目すべきだわ。タクティカルライトでカンデラは重要な要素よ。

ルクス
ルクス

では、それぞれの言葉の意味を一度おさらいしてみましょうか。

 

光関連の用語と単位

ルーメン(光束)、ルクス(照度)やカンデラ(光度)など・・・似ているような用語ですが、それぞれ別々の意味を持つ物理量です。

 

ライトをネタにしている関係上、簡単ですが光関連の用語説明を書きました。(文章のみでわかりにくいため、追々図などを追加する予定です)

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光関連の用語と単位

放射束 Φe (radiant flux)

単位:ワット [W]

ある面を単位時間に通過する放射エネルギーの量(人の目に無関係な物理量)

Φe=dQe/dt

Qe:エネルギー

電力の[W]と同じ単位:「光を物体に照射して上昇した温度」=「ある電力を物体に流して上昇した温度」であることから、同じ[W ワット]、[J/sec ジュール毎秒]で表すことが出来る。

[W]自体はエネルギー量を示しているだけで、人が感じる明るさには無関係です。最近は目にすることが無くなりましたが、「○○W LED搭載」というライトでは、そのライトが明るいのか暗いのかは分かりません。

 

光束 Φ(luminous flux)

単位:ルーメン [lm]

光源からある方向に放射された光の明るさであり、放射量である放射束を視感度で評価した値のこと。

シャワーヘッドから吹き出す水の強さ

Φ=Km∫・V(λ)・P(λ) [lm]

Km:683 lm/W(視感度が最大になる波長における放射束と光束の換算係数)

V(λ):比視感度

P(λ):分光放射束[W/nm](波長λにおける放射束の単位波長幅当りのパワー)

λ:波長[nm]

みんな大好き?なルーメン。放射束[W]は物理エネルギーそのもので有り、放射束[W]を目の感度(比視感度)で重み付けしたものが光束[lm]。
NICHIAの図がわかりやすいです。

参照:NICHIA 「光測定と単位について」 ApplicationNote_SE-AP00041.pdf

 

視感度 K(spectral luminous efficacy)

単位:ルーメン毎ワット [lm/W]

放射束を光束で評価したときの効率

K(λ)=Φ/Φ

Φvλ:光束[lm]

Φeλ:放射束[W]

 

比視感度 V(spectral luminous efficiency)

単位:[-]

光のエネルギーに対して、人間の目が感じる明るさの程度

波長555nmの黄緑の光に対して最大感度を1とし、同等のエネルギーをもつ他の電磁波の明るさ感を比較値(相対値)で表したもの。(380nm~780nm)

 

明所視(photopic vision):2cd/m^2以上の明るい場所では、555nmを一番明るく感じる

暗所視(scotopic vision):0.01cd/m^2以下の位場所では510nmを一番明るく感じる

(暗い場所では、短波長成分を多く反射する青い対象物が明るく見え、赤い対象物が暗く見えるようになる=プルキンエ現象)

 

光量 Q(quantity of light)

単位:ルーメン秒 [lm・s]

光束と時間の積

シャワーヘッドから吹き出す水で、ある時間バケツに水を貯めた時の水の量

Q=∫Φvdt [lm・s]

Φ:光束[lm]

t :時間

カメラでたとえると、露出と同じ考えで良いと思います。
露出=シャッタースピード*絞り
光量=時間*光束

 

光度 I(luminous intensity)

単位:カンデラ [cd] または、ルーメン毎ステラジアン [lm/sr]

ある特定の方向へ出ていく光束。つまり光の集中の度あいであり、光源のその方向への光の強さを表わす。

単位立体角辺りの光束=光束の立体角密度

シャワーヘッドから吹き出す水について、ヘッドを中心としたある角度範囲に噴出する水の強さ

I=Φ/Ω [cd]、[lm/sr]

Ω:立体角[sr]

Φ:光束[lm]

40W蛍光ランプ(白色)の最大光度は約330cd、100W白色塗装電球が約140cd

 

立体角Ω:

球面全周の立体角Ωは 4π[sr]=4*3.1415=12.567 [sr]

頂角θの円錐の立体角Ωは 2π(1-cos(θ/2)) [sr]

 

光度[cd]値が分かると、FL1 Standardでの最大到達距離が計算出来ます。

最大到達距離[m]=√(カンデラ値[cd]/0.25)
(最大到達距離:照射面が0.25[lx]となる地点までの距離)

例:
10000[cd]の最大到達距離は、√(10000/0.25)=200[m]
75000[cd]の最大到達距離は、√(75000/0.25)=548[m]

最大到達距離1000[m]にしたい場合、必要な光度[cd]は、
1000[m]=√(cd/0.25)
cd=250000[cd]

照度 E(illuminance)

単位:ルクス [lx] または、ルーメン毎平方メートル [lm/m^2]

光源から出た光が、ある面にどの程度降りそそいでいるかを表す量(照らされる側の尺度)

シャワーヘッドから吹き出す水が、バケツの受け口にはいる水流

E=Φ/A[lm/m^2]

Φ:光束[lm]

A :面積[m^2]

1[lx]=1[lm]の光が1[m^2]に降り注いでいる場合の照射面の明るさ

ある面の照度Eは、光度Iに比例し、距離Rの2乗に反比例(照度に関する逆2乗法則)

照度は距離によって変化するため、比較のためには同じ距離での照度を比較する必要があります。 例:1000Lx@1m
照度[lx]値が分かると、FL1 Standardでの光度[cd]が計算出来ます。

光度[cd]=距離^2*照度[lx]
(距離は2[m]、10[m]または30[m]で光学レンズ径の10倍以上の値とすること)

例:
距離2[m]の位置で70[lx]の場合
光度[cd]=70[lx]*2[m]*2[m]=280[cd]

距離2[m]の位置で18000[lx]の場合
光度[cd]=18000[lx]*2[m]*2[m]=72000[cd]

 

光束発散度 M(luminous radiance)

単位:[rlx] ラドルクス または、ルーメン毎平方メートル [lm/m^2]

照射面に入射した光束がどれだけ反射するかを表わしたもの。単位面積から発する光束

シャワーヘッドから吹き出す水について、シャワーヘッド側に着目したときの水流

M=Φ/A[lm/m^2]

Φ:光束[lm]

A:面積[m^2]

また、

M=ρE [rlx]

ρ:反射率[-]

E:照度[lx]

 

輝度 L(luminance)

単位:カンデラ毎平方メートル [cd/m^2]

光の発散面上の任意の点より観測方向へ向かう光度の、その点を含む微小面積要素の観測方向への正射影面上での単位面積当たりの割合

観測者から見た単位面積あたりの明るさ(単位面積あたりの光度)

シャワーヘッドから吹き出す水について、ヘッドを中心としたある角度範囲に噴出する水の強さを単位面積で割ったもの

L=I/A (cd/m2)

輝度は光源が広くなることによる明るさを無視できるように、光度を光源の面積で割る (微分する) ことによって算出される。

輝度は発光面に面積を持つディスプレイなどの明るさを表す時に利用されています。
たとえ輝度が同じであっても、光を発している物体の大きさ、面積が大きくなると光束も大きくなるため、輝度だけでは発光体全体としての明るさの比較は出来ません。
フラッシュライトなど何かを「照らす」装置では、照度[lx]は使いますが、輝度[cd/m^2]は使いません。

 

参考資料:

本記述については、以下のサイトを参考にしています。

CCS株式会社
テクニカルガイド・コラム 光と色の話 第一部
https://www.ccs-inc.co.jp/guide/column/light_color/
https://www.ccs-inc.co.jp/museum/column/

光と色について、とてもわかりやすい説明があります。
(私のサイトより、683倍詳しくまとまっていると思います)

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おわりに

この記事を書く前、私自身も「光度」「照度」「光量」について、バラバラな使い方をしていました。(古い記事は、まだ直せていないかも)

同じような言葉ですが、実際にそれらが表す対象や物理量は異なるため、サイト作成の際にも注意してあたっていきたいと思います。

 

フラッシュライトとしては、光束:ルーメン、照度:ルクス、光度:カンデラだけおさえておけばこと足りるような気がします。

 

 

それでは!

 

2018/11/14

 

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